あなたの専門はなんですか?スポーツ経営学です!

日々の学び、疑問をつれづれなるままにつづります。

21_スポーツ実施率が低調なのは体育科教員のせい?

ご無沙汰しておりました!

 

このテーマはこのタイミングに書くしかないという自身の思いを受けて、久々の更新です。水曜ですがお許し。

 

ちょっと過激なタイトルにしてしまった気もしていますが、まあそういうことですので以下、おつきあいくださいませ。

 

日本のスポーツ実施率の現状

2017年に出された第2期スポーツ基本計画では

ライフステージに応じたスポーツ活動の推進とその環境整備を行う。その結果として,成人のスポーツ実施率を週1回以上が65%程度(障害者は40%程度),週3回以上が30%程度(障害者は20%程度)となることを目指す。 

という政策目標が掲げられています。

 

これを達成します!と言って、スポーツ庁は国の予算をもらっている訳ですから、なんとか数値目標に近づくようにと躍起になっている現状です。

 

その状況が如実に表れているのが調査票です。

www.mext.go.jp

気になる人はのぞいてみてください。

 

とにかく僕には

「ウォーキングをスポーツと認識させて、回答率を高くしよう」という意図が垣間見えて仕方がありません。

 

結果的に、2018年の週1回以上のスポーツ実施率は55.3%となっており、着実に増加の一途をたどっています。

しかし、その内実を見てみると、最も実施されている種目はウォーキング(62.1%)で最も実施されている場所は道路(49.2%)となっています。

 

ウォーキングだって立派な運動じゃないか!

ウォーキングをスポーツと捉えるのはどこか違和感がありますが、せやかて、ウォーキングかて立派な運動やんけぼけ!とおっしゃる方もいるかもしれまへん。

 

以前、体育科の目標は「生涯スポーツ実践者の育成」であるという記事を書きました。

 

humanitynaoki.hatenablog.com

 

ウォーキングをしている人が生涯スポーツ実践者であると捉えられるならば、系統立ててたくさんのスポーツ種目を授業で扱う体育の存在意義ってなんなのでしょう。

ウォーキングなんて授業で扱わないですよね。体育って必要ないのでしょうか。

 

投票率、社会科教育の充実を

2015年4月22日の朝日新聞にあるオピニオンが掲載されました。

(声)低投票率、社会科教育の充実を 神奈川県54歳 高校教員

「戦後最低の投票率」という報道に接するたびに、社会科教師のひとりとして残念でならない。戦後に民主主義の担い手を育成するために誕生した「社会科」は、一体何をやってきたのだろうか。各選挙の投票率を見ると「社会科教育の敗北」と言っても過言ではないように感じられる。

1890年に初めて日本で国会が開かれた。衆議院議員を選ぶことができたのは、一定額以上の税金を納める男性だけだった。1925年には普通選挙法が制定され、納税額に関係なく選挙権が得られるようになった。しかし、女性に選挙権はなかった。選挙権獲得のために血や汗を流してきた人たちが、現在の投票率の低さを見たらどう思うだろう。

選挙権を無駄にしている人、これから選挙権を得られる人は、選挙権獲得までの歴史を学び直したらどうだろうか。

選挙権が18歳以上に引き下げられる。若年齢ほど投票率が低いという事態を招かないためにも、社会科教育は選挙の大切さをしっかりと教えるべきだろう。教える内容をさらに工夫して充実させ、児童や生徒に社会への興味と関心を持たせたい。 (下線筆者)

 

まさに今のスポーツ実施の現状は「体育科教育の敗北」なのではないでしょうか。

行政方と同じ視点で「スポーツ実施率上がってる♪わーいわーい♪」なんて言うてんと、いや、ウォーキング実施者ばっか増やしてどないすんねん!いや、わしらそんな授業しかしてきいひんかったんかい!くらい自省する必要があるんじゃないかと思うわけですね。

 

僕自身も体育・スポーツに関わる人間として、自分が専門とするところに責任を持たないといけないなーと思う今日この頃です。

 

P.S.

今回の参院選で恥ずかしながら初めてマニフェストを読み込んで選挙に臨みました。

ああ大人になったなあと実感しました。めでたしめでたし。